腰痛が慢性化している、なんとかならないか?

腰痛が慢性化している、なんとかならないか?

相談:Oさん(神奈川県在住 自営業・55歳)

「2~3年前から、腰の調子があまりよくなくて。我慢できないほどじゃないんだけど、痛みが出るんですよ。」

整骨やマッサージなど、やってもらっている時は気持ちが良いのですが、なかなか続かないんですよね。
病院で見てもらったら、筋肉をつけないといけないといわれたのですが、動くと腰が痛いから運動するのも、正直、億劫なんですよ。でもやっぱり、運動したほうがいいんですかね?」

日本人の4人に1人が腰痛持ち!

日本人の4人に1人が腰痛持ち!

再春館製薬所 薬剤師
中居寛(なかい・ゆたか)



慢性的に続く腰痛、つらいですよね。
厚生労働省の調査によると、日本人の実に4人に1人が、腰痛持ちとされており、年々増加傾向にあるそうです。
腰痛の原因には、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの疾患のほかに、脊髄や内臓の病気などもありますが、多くが原因を特定しにくい「非特異的腰痛」で、一般に腰痛症などと診断されることが多いものとなっています。


1、長時間、同じ姿勢でいたことで筋肉が緊張、血行が悪くなる。

2、運動不足や、加齢による筋肉の衰え。

3、過度の負担(重たいものを持ち上げた、普段しない激しい運動)

などが、「非特異的腰痛」の主な要因といわれていますが、Oさんは急に腰が痛くなったのではなく、数年前から慢性的に痛みが続いているようですから、病気でなければ、1や2からくる腰痛である可能性が高いかもしれません。

50代からの腰痛には、筋力を衰えさせないことが重要

椎間板の弾力性が失われたり、それにより椎体の間が狭くなってきたりと、加齢にともなう変化は徐々におこっています。
そのうえ、腰周りの筋肉が衰えて腰を支えることができなくなってくると腰にかかる負担が増えて、腰痛につながっていく。腰痛が気になって、運動をしないでいると、さらに筋肉が落ちていき、痛みが悪化する。このように、負の連鎖になりやすいのが、加齢にともなう腰痛です。


筋肉は天然のコルセット

私たちの体には、その真ん中に背骨が通っています。背骨は体を支える、まさに大黒柱。複数の骨が椎間板でつながっていて、全体で体を前後に曲げたり、左右に傾けたりすると、しなやかな動きをすることができるのですが、体全体を支えるわけですから、当然、その負荷は大変なものです。
腹筋や背筋がしっかり背骨を支えていると、その分、背骨の負担は軽くなります。
逆に、筋肉が衰えてしまうと、支える力が弱くなり、背骨や椎間板にかかる負荷が大きくなり、痛みが出やすくなることがあります。

腰痛のある方が、コルセットをすると痛みが軽減されて楽になることがありますが、まさに、「筋肉は天然のコルセット」なのです。


体幹となる4つの筋肉

体幹の上部にある横隔膜。下部で底の役割を果たす骨盤底筋群、それにコルセットのように腹を被う腹横筋、そして、背中の多裂筋。この4つによって腰椎の安定性が保たれ、なおかつほかの色々な筋肉も協力することで、体を安定させています。
腰回りに体を安定させるための筋肉が集まっているのです。

筋肉を鍛えることで、腰痛改善に!

老化とともに椎間板がすり減り、さらに腰を支える筋肉が衰えると、腰痛へとつながっていきます。
痛みがひどい時には、まず痛みに対する対処も大切ですが、無理をしない範疇で筋肉を鍛えて、筋力を高め、維持していくことはとても重要です。

すぐに実践できる運動としては、ウォーキングがおすすめです。両腕をしっかり振って、大股で歩くことで腹筋と背筋を鍛えることができます。腰や膝に痛みがあるときは、プールでの水中ウォーキングがよいでしょう。
また、腰痛改善に参考にしていただきたい運動を紹介させていただきますので、毎日、少しずつでも実践してみてください。


腰痛改善におすすめな運動

『お腹、背中のトレーニング』


『体幹トレーニング』


『体幹・股関節のトレーニング』

運動をするときには、しっかりと栄養を摂りましょう。

筋肉をつけるための運動するときには、筋肉の材料となる必須アミノ酸などの栄養素もしっかりと摂ることが大切です。ただどうしても年齢を重ねてくると、食事量も少なくなってきて、必要な栄養が不足してくることが多くなります。
3食バランスのよい食事を心がけることはもちろん、運動する時は必須アミノ酸などのサプリを上手に取り入れていくことも選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか?

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